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マーケティング 2024/02/14

製造業におけるVA・VE 提案とは|進め方についても解説

目次INDEX
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VAとは

価値分析(VA)は、製品やサービスのコストと機能を研究し、既存製品を見直すことで、品質維持に努めつつコスト削減を行う組織的活動です。これには、図面や仕様書の変更、製造方法の効率化、発注先の変更などが含まれます。目的は、最小コストで必要な機能を実現することです。

VEとは

VEは、「価値工学」を意味し、製品やサービスのコスト・機能を研究して、コスト削減を目指す組織的活動です。図面の変更や製造方法の改善、発注先の変更などが含まれます。目的は、顧客が求める必要な機能を最小のコストで提供することです。

VA・VEの歴史

1947年に米国General Electric社のL.D.マイルズ氏が製品価値へのコスト寄与度を評価するVA(Value Analysis)を発案。当初は製造業の資材部門で採用され、コスト削減の成果が注目を集めた。その後、1954年にアメリカ国防総省がこれを製品の開発や設計の段階にまで拡張し、「VE(バリューエンジニアリング)」と命名した。1955年には日本にも取り入れられ、1960年代には国内の多くの製造業が導入を始めた。それ以来、適用範囲は企画、開発、設計、製造、物流、事務、サービスなど多岐にわたり、幅広い業界で利用されるようになっている。それにより、
・顧客満足度の高い価値ある新製品開発
・既存製品の改善
・業務改善
が推進され、企業体質の強化と収益力の増強に寄与している。

製造業におけるVE提案のメリット

■客観的な視点を入れることで改善策が見つかりやすい
VE提案(製造業)がもたらす大きな利点は、客観的な視点を盛り込むことで新たな改善策や方法が見つかることです。
自社だけで製品設計を行うと、どうしても主観的な方法しか見つからないことがあります。
しかし、第三者が加わることで新たな視点が生まれ、これまでのやり方にはないさまざまな選択肢が得られます。
それにより、製造業者が今まで考えたこともなかった品質改善や効率化のアイデアを得ることができ、高い成果を目指せるでしょう。そのため、VE提案から新しいアイディアや改善策が生まれることは、加工会社がプロジェクトに参加する大きなメリットと言えます。

■結果的に時間の短縮、コストダウンにつながる
加工会社がプロジェクトに関与することで、時間短縮やコスト削減の可能性が高まります。
改善方法が見つけやすく、設計者を含む関係者にとってプロジェクトの進行がスムーズになります。

■技術者がいなくても相談ができる
製品設計図の作成時、技術者の不在で図面の加工が実行可能か否かの判断が難しい場合があります。
加工の専門家として、技術者がプロジェクトに参画しているのが理想的ですが、常にそういった状況が整っているわけではないことが問題です。

VE提案の注意点とは

VE提案は多くのメリットがあるものの、いくつかの注意点に留意する必要があります。特に重要な点は以下の通りです。

・初期段階で行うことで効果が高まる
・実際に作業している人の意見を重視する
・アイディアやチームワークの重要性

効果的なVE提案を行うためには、設計初期段階で取り組むことが肝心です。設計が進むと、見直しに時間がかかり、元の設計に囚われるリスクが高まります。
また、作業効率の向上には、実働者の声を取り入れることが不可欠です。素材選びだけでなく、効率的な生産方法もコスト削減に寄与します。現場の声に耳を傾けない限り、作業効率は向上しません。
VE提案においてはチームワークも重要な要素です。チームで協力すれば、豊富なアイディアが生まれやすくなり、スムーズな議論が可能になります。

VE提案のコスト

VE提案では、トータルライフサイクルコストもしくは直接費用を示します。
トータルライフサイクルコストとは、製品製造から使い終わるまでの総費用で、例えば建築では設置やメンテナンス費用も含まれます。
直接費用は、製品製造にかかる費用を指し、消費者へ直接販売する際に提案されます。 どちらを提案すべきかは事前に確認が必要です。

VA / VEの進め方

VA / VEは、以下のステップで進められます。

■情報収集
情報収集を最初に行い、顧客のニーズを把握して対象製品を選定し、必要なデータを収集します。
収集すべき情報は以下の通りです。

・対象製品の使用技術
・コストの大小
・顧客の要望や品質基準
・競合他社や法的問題に関する情報

このステップがVA/VEの円滑な進行に重要です。

■必要な機能の整理と定義付け
次に、要求される機能の整理・定義を行います。
機能の必要性や実現方法は、ステップ1で得た情報を参考に決定し、製品設計に役立てます。

■コストの調査・分析
3つ目のステップは、コストの調査・分析です。ステップ2で指定された機能について、現在のコストと適切なコストを調査・分析すること。その後、利益目標の設定のために、目標売価と目標原価を決定します。さらに、目標原価から逆算して、それぞれの機能に対する目標コストを設定します。
目標コストが決まったら、設計に沿って製品が作れるかどうかを、次のプロセスで検証していくことが重要です。

■改善提案の作成
コスト分析を終えた後、改善案の作成に取り掛かり、顧客や発注者への提案や依頼が行われます。
形状や材料の変更によるコスト削減、製造方法の見直し等、多岐にわたる手法が検討されます。これまでの調査・分析結果を示し、顧客にとって必要な機能が明らかになり、保持または改善されるように改善案候補を絞ります。
提案依頼を受けた企業は、顧客指定の書式に従った提案書を作成します。この際、改善点やコストの根拠、品質保証を明確にし、従来の計画と比較してどの程度の変化があるかを記載することが重要です。図表を用いることで、顧客に改善点を分かりやすく伝えます。顧客から承認を得た後、設計者やプロジェクトマネジメント体制も確定されます。
提案後は、顧客フォローアップが行われ、目標達成状況を報告書で数値化します。提案内容の有効性や作業の進捗状況をチェックし、資料を添付して数値の有効性を実証するポイントです。
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