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金属製品製造業 2024/04/11

プラズマ処理とは?種類や効果について解説

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プラズマ処理
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プラズマ処理とは?

プラズマ処理は、プラズマを活用して物質の表面特性を改善する技術です。ここでいうプラズマとは、イオン、電子、中性原子などが混在する電気を帯びたガスの状態を指します。その状態を用いて、様々な処理が物質表面に施されるわけです。

プラズマ処理の仕組み

プラズマ処理の基本原理は、高エネルギーのプラズマを物質表面に照射して、表面の分子構造を変化させることによって、表面の清浄化、活性化、またはコーティングが可能となる点です。これにより、物質の表面特性が向上します。

代表的なプラズマ処理の効果

プラズマ処理の効果には、「親水化」「接着性改善」「洗浄」が代表的です。これらの効果について詳しく見ていきましょう。

親水化

親水化とは、物質の表面が水に親和性を持つようになる現象を意味します。
例えば、ガラスの表面に親水処理を施す場合、酸素(O2)プラズマをガラス表面に照射することで、水との相性が改善されることが知られています。
親水性の評価方法として、「水接触角」が用いられます。ある事例では、処理前の水接触角が41度だったものが、プラズマ処理の結果、5度以下まで低下することが確認されています。

接着性改善

プラズマ照射によって、樹脂同士や樹脂と金属の間の接着力を向上させることができます。
具体的には、プラズマガスが基材表面と反応することで、表面に親水性の官能基が生成され、接着剤との相互作用が強化されます(化学的効果)。また、表面形状に微細な凹凸が形成され、接着剤の接触面積が増えることで、接着性が向上します(物理的効果)。

洗浄

プラズマ照射によって、金属やガラスの表面に付着した有機物を除去することができます。
この過程では、プラズマ中に発生する酸素ラジカルが基板表面の有機汚染物質と反応し、二酸化炭素(CO2)として除去されることで、表面が洗浄されます。

プラズマ処理の種類

プラズマ処理は、大気圧プラズマ処理と真空プラズマ処理に大別されます。大気圧プラズマ処理には、ガス照射型と放電処理型の2つの方式が存在します。

大気圧プラズマ処理

大気圧プラズマ処理は、大気圧の状態下で行われるプラズマを用いた表面処理技術です。このカテゴリには、以下の2つの方法があります。

-ガス照射型プラズマ処理-
ガス照射型プラズマ処理では、特定のガス(アルゴン、酸素、窒素など)を外部から供給し、プラズマ状態にイオン化します。その後、このイオン化したガスを物質の表面に照射して、表面改質を行います。

この処理により、表面の清浄化、活性化、あるいは特定の化学的機能性の付与が可能になります。ガス照射型の処理は、表面の微細な構造を維持しながら効果的に改質を行いたい場合に適しています。

-放電処理型プラズマ処理-
放電処理型プラズマ処理は、物質表面に直接高電圧を印加して、その場でプラズマを生成する方法です。このプロセスでは、電極間に高電圧を適用することで、空気中のガスがプラズマ状態にイオン化され、表面処理が行われます。

放電処理は、均一なプラズマ生成が可能であり、広範囲にわたる表面改質に有効です。特に、大面積の物質を迅速かつ均一に処理する必要がある場合に、この方法が選択されます。

真空プラズマ処理

真空プラズマ処理は、真空状態のチャンバー内で行われるプラズマ処理の一種です。この手法では、処理対象物を真空チャンバー内に設置し、低圧の環境下でプラズマを生成することで、ガスとプラズマの相互作用が向上します。これにより、高純度で均一な表面改質が実現できます。

真空プラズマ処理は、半導体や医療機器の製造など、高度な清浄度が求められる分野で特に効果を発揮します。また、真空条件下では、様々なガスを使用して特定の化学反応を容易に制御し、カスタマイズされた表面処理が可能となります。

プラズマ処理と他の表面処理技術との比較

プラズマ処理と他の表面処理技術には、それぞれ特性や適用範囲において顕著な違いが存在します。ここでは、コロナ処理、フレーム処理、UVオゾン処理といった一般的な表面処理技術を取り上げ、それぞれの長所と限界をプラズマ処理と比較して詳しく述べます。

コロナ処理

コロナ処理は、高電圧を利用して空気中のガスをプラズマ状態にし、物質表面の活性化を図る方法です。主にポリエチレンやポリプロピレン等のポリマー材料の表面処理に使用され、印刷や塗装、接着の前処理として効果があります。コロナ処理により、材料表面のエネルギーが向上し、他の物質との結合が円滑になります。
ただし、コロナ処理の影響範囲は表面の浅い部分に限られ、プラズマ処理と比較して処理深度が浅く、均一性にも制約があります。複雑な形状や微細な表面構造を持つ材料の処理には、コロナ処理の適用が難しいことがあります。

フレーム処理

フレーム処理は、炎を直接材料表面にあてることで、表面の物理的・化学的性質を変化させる技術です。大面積の処理が必要な場合に特に効果的であり、迅速に表面活性化が可能です。
しかし、フレーム処理のエネルギー制御が難しく、熱の過剰な発生が材料に損傷を与えるリスクがあります。また、炎の不均一な分布が処理の均一性を損なう原因となることがあるため、細かい表面特性の制御が困難です。フレーム処理は、プラズマ処理が提供する精度や均一性には及ばず、高度な表面改質が求められる用途には不適切です。

UVオゾン処理

UVオゾン処理は、紫外線とオゾンを組み合わせて表面を浄化・活性化する技術です。この方法は、表面の有機汚染物質を効果的に除去し、表面エネルギーを向上させます。さらに、装置が比較的シンプルであり、低温処理が可能であるため、熱に敏感な材料に適用できる利点があります。
しかし、プラズマ処理のような表面の化学的機能化や特定の機能基の導入は期待できません。そのため、UVオゾン処理は、主に浄化や軽度の表面活性化を目的とした場合に限定されます。
総じて、真空プラズマ処理は他の表面処理技術と比較して、純度が高く均一な表面改質が可能であり、特に高度な清浄度が求められる分野において優れた性能を発揮します。

プラズマ処理に関連する企業

日酸TANAKA株式会社

日酸TANAKA株式会社は、独自の技術を基盤として、顧客満足を追求する製品とサービスを提供し、切断、溶接、ガス制御のトータルソリューションを目指しています。同社は長年の実績と独自の技術を活かし、レーザ切断機、プラズマ切断機、ガス切断機など様々な製品の開発とラインナップを展開しており、産業界に多大な貢献を果たしています。

事業内容:
  • 機器・溶接材料: レーザ加工機、NCガス・プラズマ切断機、CAD/CAMシステム、溶接機器、溶接材料、産業用ロボット、溶接溶断関係機器、容器、高精度分析用機器、半導体プロセス用周辺機器、排ガス処理装置など
  • ガス:酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス、ヘリウム、水素、半導体アセチレン、標準ガス、混合ガス、純ガス、溶解アセチレン、エコン、エチレン、LNG、サンアーク、サンレーザ、LPガス、笑気ガスなど
  • 設計・施工: 高精度分析用ガス供給設備

引用参考イプロス: https://www.ipros.jp/company/detail/2048268

ノベリオンシステムズ株式会社

ノベリオンシステムズ株式会社は、プラズマ応用装置の開発・製造販売と特殊成膜プロセスの加工受託を主軸として事業展開している技術開発型ベンチャー企業です。酸素や各種の活性ガスが使用できる電子サイクロトロン共鳴(ECR)高密度プラズマ源およびECR大電流イオンビーム源の開発を行っており、新規の技術ニーズに対応しています。

事業内容:
  • プラズマ応用装置の開発と製造販売: ECRラインビームイオン源(ELBSシリーズ)、モジュール型ECRプラズマ源(EPSシリーズ)、ミリング用低エネルギー大電流イオン源、内径スパッタコーティング装置、各種プラズマ応用装置の開発受託と技術コンサルティングなど
  • 特殊成膜プロセスの加工受託: CFCダイバータブロック(核融合実験炉の炉壁)への接合界面処理など

引用参考イプロス:https://www.ipros.jp/company/detail/2056012

株式会社タダシ製作所について

株式会社タダシ製作所は、大阪市を拠点として、部品加工事業、OEM生産、組立加工事業、自動機・専用機の設計・製作事業など、多岐にわたる事業を展開している企業です。

部品加工事業においては、機械加工、板金加工、樹脂加工、溶接加工、表面処理など、幅広い加工方法を駆使し、お客様に代わって複雑な発注業務や納期管理を一括して管理します。ローコスト・短納期・高品質を実現し、単品・少量製作から大ロットまで対応します。また、装置1式分の加工部品製作もお任せいただけます。

OEM生産や組立加工事業においては、ファブレスのお客様や組立を外注化しているお客様に対し、豊富な実績とスキルを活かしてローコスト経営をサポートします。半導体製造装置、医薬品装置、食品関係装置、自動車関連装置など、多様な業界での実績があります。部品加工から資材調達、組立まで一貫して生産し、高品質・ローコスト・短納期を実現します。

自動機・専用機の設計・製作事業では、お客様からのご要望に応じて構想から設計、部品加工、資材調達、組立、調整運転までワンストップで対応します。試作機、治具、一品もの、量産機など、幅広いニーズに応えます。
さらに、食品加工機械の製造販売も行っています。

事業内容:
  • 部品加工事業
  • OEM組み立て事業
  • ODM設計/製作事業
  • 食品加工機械の製造販売

部品加工事業では、部品加工のワンストップサービス(材料から表面処理まで、装置1式分加工)を提供しています。機械加工、板金/レーザー、製缶加工、各種溶接、鋳物加工、樹脂加工、熱処理、表面処理、その他の表面処理(各種塗装、プラズマ、テフロンメッキ、テフロンコーティング、バイコート、テフロック)、ローラー製作、テーブル/プレート製作、タンクなどが含まれます。

OEM組み立て事業では、材料調達から組立/配線までの一貫生産を行っており、半導体製造装置、液晶装置、電子部品装置、食品加工機械、医薬品機械、自動車関連機械など、多様な業界への対応が可能です。

ODM設計/製作事業では、お客様の構想を設計、製作、納品までワンストップで対応しています。

食品加工機械では、小・中型魚を中心にした魚体処理装置の製造販売およびお客様ニーズに沿った食品開発機の製造を行っています。

引用参考イプロス:https://www.ipros.jp/company/detail/2047586

株式会社日本シード研究所の概要

株式会社日本シード研究所では、以下のような製品や装置を扱っています。  
  • 蒸着やスパッタリング成膜装置
  • 真空排気装置
  • 核融合物理実験関連データ処理用プローブ駆動実験装置やトラップ電極
  • 航空宇宙分野向け電気推進系評価装置
  • 超伝導転移端センサ(TES)やマイクロカロリーメータ、ジョセフソン素子作製に関連する装置
  • 各種覗き窓、シャッター機構、特型真空チャンバの製作
事業内容には以下の製品が含まれます。

事業内容:
  • 真空蒸着、スパッタリング、薄膜形成
  • 真空排気装置、核融合プラズマ、トラップ電極
  • 航空宇宙、真空チャンバ、超伝導用成膜装置(超伝導転移端センサやジョセフソン接合)
  • 各種製品や部品

引用参考イプロス:https://www.ipros.jp/company/detail/2068630

エヌ・デイ・ケー加工センター株式会社

エヌ・デイ・ケー加工センター株式会社は、顧客のニーズに応じて電子ビーム溶接や真空ロウ付け、異種金属接合の専門加工を行っているメーカーです。 長年にわたり培った技術やノウハウで、21世紀の新しい時代に合った技術開発を続けており、社会に貢献しています。
同社の事業内容は、以下の通りです。

事業内容:
  • 電子ビーム溶接、電子ビーム微細加工(溶接・穴開け)
  • 真空ロウ付け・真空接合、真空熱処理
  • プラズマ窒化処理
  • 精密機械加工

引用参考イプロス:https://www.ipros.jp/company/detail/2098040
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