COLUMN

製造業のおすすめ情報
金属製品製造業 2024/03/21

電解研磨とは?やり方とメリットデメリットもご紹介

目次INDEX
電解研磨
についてのお問い合わせはこちらから!

電解研磨に関するお問い合わせ、まずはMONOTY(モノティー)へ!

電解研磨という技術について

電解研磨は、金属の表面を滑らかに仕上げるための方法で、対象の金属を電解液という特殊な液体に浸け、電流を流すことで研磨作業を行います。この技術は、ステンレスやアルミニウムなどの金属素材の磨き仕上げに広く利用されています。

従来のやすりや研磨機を用いた研磨と比較して、電解研磨では加工者の技量に依存せず、均一な研磨が可能です。この結果、金属表面の微小な凹凸が除去され、滑らかで鏡面のような仕上がりが得られます。さらに、電解研磨により金属表面に酸化被膜と呼ばれる膜が形成され、金属の腐食が抑制されます。例えば、ステンレス素材に電解研磨を施すことで、更に錆びにくい素材となります。

食品や薬品を扱う配管やタンクでは、金属表面の凹凸が雑菌の繁殖を招く原因となります。電解研磨を適用することで、表面の凹凸をなくし、雑菌の繁殖を防ぎ、衛生的な環境を維持できます。

電解研磨のやり方について

基本的な電解研磨のやり方では、研磨対象の金属を陽極とし、陰極の電極と共に電解液が入った槽に浸し、電流を流します。この際、以下の2点が重要なポイントです。
  • 金属と陰極の電極の距離をほぼ等しく保つ
  • 陰極の電極に向かっている部分だけが電解研磨の効果を受ける

金属と陰極の電極間の距離が不均一だと、電解研磨の効果も不均一になり、金属表面の仕上がりが場所によって異なったり、キズや汚れの除去が十分にできなかったりすることがあります。
さらに、電解研磨の効果は陰極の電極に面した部分に限られるため、例えば金属の一部分だけが研磨効果を受け、他の部分は効果が及ばないという現象が起こります。このような状況を避けるためには、複数の陰極電極を用意して対策を講じることが必要です。

このような対策を実施することにより、例えば箱形状や円筒形状の金属の内面でも、電解研磨を効果的に行うことができます。

電解研磨のメリット

電解研磨がもたらすメリットには、単に美しい光沢だけでなく、同時に耐食性が向上する点があります。これは、バフ研磨や他の物理的研磨とは異なる効果を期待できるということです。
バフ研磨などの物理的研磨の方法では、製品の表面の凹凸を物理的に平らにすることで光沢が生まれます。しかし、電解研磨の場合、例えばステンレスを取り扱う際は以下の手順となるので方法が異なります。

1.製品表面の鉄分とニッケル分を融解させることで、クロムを豊富に含んだ層を形成します。
2.その結果、表面は平滑化されるだけでなく、豊富なクロム成分により耐食性が向上する

研磨できるだけでなく、耐食性アップも期待できるというメリットがあります。

電解研磨のデメリット

電解研磨は電気を利用した処理ですので、形状やかける回数によっては、弱電部と呼ばれる問題が発生します。弱電部とは、電気が届きにくい箇所のことを指し、電解研磨においては白くぼやけたような見た目になる部分です。
電解研磨処理の主な目的がバリ取りであるなら、白くぼやけた部分は問題視されないこともあります。しかし、光沢や耐食性を重視する場合は、手動の電解研磨器などを使用して修正が可能です。

ステンレスの電解研磨における特徴

ステンレスの電解研磨は、硫酸や燐酸を主成分とした電解研磨液の中で行われる処理です(弊社では燐酸を主体としています)。具体的な方法は、研磨対象のステンレスを陽極処理し(ステンレスを+、電解研磨槽を-にして電流を流す)、以下の効果が得られます。

  • 1.耐食性を向上させる
  • 2.平滑化を促進する
  • 3.光沢を引き出す

さらに、この方法はバフ研磨などの機械研磨と異なり、複雑な形状のものでも一度に全体を均一に研磨できる利点があります。また、短時間で加工が完了するため、大量生産にも適しています。

電解研磨に関連する企業

株式会社中野科学

株式会社中野科学は、金属ハウスウェア製品から半導体製造装置関連部品まで、60年以上の経験を持つ表面処理技術を提供しています。同社はISO14001とISO9001の哲学を取り入れ、徹底した品質管理と技術開発により、時代に合った表面処理加工を行っています。特に同社の電解複合研磨は、日本原子力研究開発機構(JAEA)と高エネルギー加速器研究機構(KEK)が共同で建設した大強度陽子加速器施設「J-PARC」の完成に貢献し、感謝状が贈られるなど高い評価が得られています。

株式会社中野科学は、さまざまな金属素材に対応した表面処理技術を提供しています。
同社は、電解研磨、電解複合研磨、ステンレスやチタンの発色、酸洗などで金属素材の持つ魅力を最大限に引き出しています。

また、近年ではマグネシウムやアルミ、チタン等の表面処理加工も手がけています。金属加工で全国的に知られる新潟県燕三条地域で培ってきた、表面処理専門業のノウハウにより、お客様の問題解決のお手伝いが可能となっています。

事業内容
  • 表面処理事業部
  • 各種金属の電解複合研磨
  • ステンレス・アルミ・チタン・銅の電解研磨
  • バレル電解研磨
  • ステンレスの酸化発色
  • チタン・マグネシウム合金の陽極酸化
  • マグネシウム合金の化成処理
  • 各種金属の化学研磨
  • ステンレスの酸洗処理
  • ステンレスの不動態化処理
  • 製品販売事業部
  • ステンレス製品の製造販売

※引用参考イプロス:https://www.ipros.jp/company/detail/351812

有限会社石田電解研磨工業所

有限会社石田電解研磨工業所は、主にステンレス・ハステロイ・インコネル・電解研磨・化学研磨・酸洗処理・バフ研磨を主事業として営業している会社です。
同社では、商品ごとに合わせた最良の研磨方法を提案しており、お客様のご要望に対応しています。 事業内容
  • 主事業内容
  • ステンレス
  • ハステロイ
  • アルミ
  • インコネル
  • 電解研磨
  • 化学研磨
  • 酸洗処理
  • 不動態化処理
  • バフ研磨

※引用参考イプロス:https://www.ipros.jp/company/detail/2057610

クリスタル光学株式会社

クリスタル光学株式会社は、創業当初から光学単結晶のハンドラップを生業としています。
光学結晶材料の中には、極度にデリケートで温度・湿度の厳格な管理下でしか磨けないものが存在します。クリスタル光学は、この研磨技術を基盤に、様々な素材の研磨に従事してきました。
30年間の経験を経て、現在では光学単結晶だけでなく金属・非金属・セラミックなどあらゆる素材を扱い、また、創業当初は手のひらに乗る小さな部品を加工することが主でしたが、現在は最大8000mmの超大型部品を扱うことができるようになりました。

事業(加工)については、より高い精度の加工を実現するために、自社一貫生産に力を入れています。
  • 切削加工
  • 研削加工
  • 研磨加工
  • 超精密加工
  • 表面処理(不導態化処理/電解研磨)
  • 測定
2014年11月には、航空・宇宙産業に関与することを目的に、5軸複合マシニングセンタを2台新たに導入し、航空・宇宙産業の進化に貢献できるよう全力で取り組んでいます。

事業内容
  • 切削加工(アルミ・銅・ステンレス・樹脂 他)
  • 研削加工(アルミ・銅・ステンレス・ガラス、樹脂 他)
  • 研磨加工(アルミ、ステンレス・金属・セラミック・新素材・光学結晶等)
  • 超精密加工(形状:自由曲面・平面・球面・軸外し 材質:アルミ・銅・Ni-P)
  • 測定(三次元測定・形状測定・面粗さ測定 他)
※表面処理(不動態化処理・電解研磨 材質:半導体素材)も行っています。 主な加工品
  • ダイ・ノズル
  • 自由曲面ミラー・非球面ミラー
  • マスフローコントローラー・光学単結晶研磨加工
  • プレート・テーブル・ベッド・ステージ 他
半導体分野、液晶・フィルム・電池分野、光学分野など、幅広い分野で加工を行っています。

※引用参考イプロス: https://www.ipros.jp/company/detail/2034275

日章アステック株式会社

創立から約50年経過し、日章アステック株式会社は問屋業ならびに加工業者として、ステンレス材料に関する専門知識と加工技術を蓄積してきました。
同社は、サニタリー鋼管(BA, EP)およびサニタリー継手の在庫が豊富であり、材料の選定や調達、プロセス配管や容器の特注製作、ユニット化・プレファブ化、表面処理としての不動体化・電解研磨等に取り組んでいます。それらを組み合わせることにより、顧客の現場に最適な形態での提供が可能です。
  • サニタリープロセス配管の特注製作(飲料・食品・医薬・半導体製造装置等のプロセス配管、容器等)
  • 電解研磨(EP)においては50年の歴史があり、充実した表面処理が可能
  • クリーン加工やクリーン洗浄梱包に対応したクリーンルームを2工場所有
  • ベトナム子会社による日本品質のサニタリー接手部材の生産
  • 出張洗浄や現場における据付工事、検査等の対応力あり
  • 切削から溶接、研磨、洗浄まで一貫した加工工程を自社内で実施
  • BA、EP管の在庫が豊富であり、部材の確実な調達が可能
  • プロセス配管だけでなく、タンクや装置、架台・手すりや収納庫等の周辺設備やユーティリティ配管まで対応

事業内容に関しては、工業用ステンレス製品の販売、加工、表面処理、配管工事等が挙げられます。
  • ステンレス製品の販売
  • ステンレスなど特殊鋼の加工
  • 電解研磨を中心とした表面処理
  • ユニット製作・組立
  • 出張洗浄
  • 板金曲げ加工
  • 手術室内装パネルや倉庫ラック等、金属パネルの曲げ加工・溶接加工・塗装等によるオーダー生産の実施
  • ベトナム子会社による製造・工事
  • 台湾子会社による工事・装置製造

※引用参考イプロス:https://www.ipros.jp/company/detail/2083243

株式会社ナガタ工業

株式会社ナガタ工業は、単品や小ロットの加工部品に特化した会社です。以下の分野で高い技術力を持っています。
  • スーパーインバー材・インバー材の加工: スーパーインバー材は低熱膨張材料で難削材の一つですが、25年以上の取り扱い実績を持っています。同社はNC旋盤加工、マシニング加工、ワイヤーカット、型彫放電加工、平面研削加工、円筒研削加工、内面研削加工、機械ラップなどの加工が可能です。
  • 部品の加工実績: 工作機械部品、測定機器部品、光学機器部品、その他が含まれます。
  • 表面処理: 無電解ニッケル、低温黒色クロム、レイデントなどが可能です。また、熱処理もスーパーインバー、インバーの処理実績豊富な外注工場があります。
  • インバー材・スーパーインバー材の材料調達: 同社への信頼でお任せいただけます。少ない量の在庫もございます。
特筆すべきは、難易度が高く高額な案件では競合先が無いことがある程、高い技術力を持ち合わせていることです。

また、アルミ・SUS・鉄の試作において、自動車部品メーカー様、測定器メーカー様、工作機械メーカーその他からも依頼を受けています。 焼き入れ研磨部品は、試作の他にもさまざまな工場の治工具や装置の消耗部品を受注しています。
事業内容
  1. スーパーインバー材の加工(難削材の加工): 同社は1998年頃からスーパーインバー材の加工に取り組んでおり、それ以降、NC旋盤加工、NC自動盤加工、マシニング加工、ワイヤーカット、型彫放電加工、平面研削加工、円筒研削加工、レーザカットなどに対応できます。さらに、これらの加工を組み合わせ、高精度な部品や複雑形状の部品を製作することができます。表面処理も無電解ニッケル、低温黒色クロム、レイデント、その他が可能です。スーパーインバー材の材料調達、鋳造材料、鍛造材料も調達できます。
  2. アルミ・SUS・鉄の試作: 複雑形状で高精度な試作部品を製作することができます。加工機械、加工方法、測定機器、測定方法について、適切な打ち合わせを行います。
  3. 焼き入れ研磨部品: さまざまなメーカー様の工場の治工具や装置の消耗部品を受注しています。材料、熱処理、表面処理、精度の選択においても、同社からの提案により部品の長寿命化を図り、機械・装置の安定稼働と段取り替えの低減に協力しています。

※引用参考イプロス:https://www.ipros.jp/company/detail/23539
電解研磨
についてのお問い合わせはこちらから!

電解研磨に関するお問い合わせ、まずはMONOTY(モノティー)へ!