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金属製品製造業 2024/03/07

難削材とは|特徴や種類・切削条件などを解説

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難削材
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難削材とは

難削材は加工が困難な素材の総称で、加工機で削りにくい性質があります。これにより、切削工具寿命の短さ、表面粗さの調整困難、寸法精度の低さ、切削熱による溶着発生などの問題が生じます。難削材の特徴は主に3つです。

■素材そのものが削りにくい
難削性の高い材料は主に硬度が高いもの(ステンレス、チタン等)で、例外的に純アルミ1000番台のような柔らかい素材も含まれます。

■被削性の不明な材料
インコネル、ハステロイ等、切削データが不足しているか、ほぼ存在しない新しい素材が対象となります。これらは以下のような特徴を持ちます。

■加工時に発火・引火する可能性が高い材料
マグネシウム等、着火時に猛烈燃焼し、加工中の事故リスクがある素材が対象です。

代表的な金属の難削材

金属加工における代表的な難削材としては、ステンレス、チタン、インコネル、マグネシウムが知られています。これらの材料は、工場での火災を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

・ステンレス
・チタン
・インコネル
・マグネシウム

難削材を加工する際には、それぞれの材料の特性を深く理解し、対応策を講じることが重要となります。

ステンレス(SUS)

鋼にクロムとニッケルを添加した合金であるステンレス鋼は、一般的にクロム含有量が10.5%以上のものを指します。通常の鋼と比較して、耐食性、耐熱性、および耐酸化性が優れており、航空業界や医療業界など、多岐にわたる分野で活用されています。ステンレス鋼の熱伝導率が低いことから、切削加工時に発生する高熱が逃げにくく、加工硬化性(加工中に熱が加わると硬度が増す)により、工具の寿命が短くなりがちです。さらに、工具との親和性が高く切り粉が刃物に溶着しやすいため、以下のような問題が生じることがあります。

・チッピングが発生しやすい
・加工精度が出しにくい

このような性質のため、ステンレス鋼は加工に注意が必要な金属と言えます。

チタン

鉄よりも約3分の2程度の軽さでありながら、高い熱耐性と引張強度を備え、さらに曲げても元に戻る特性を持つ金属です。耐食性も非常に優れており、海水に触れる環境での使用が可能です。

この優れた素材は、切削加工が困難な難削材となっています。切削加工中に発生する切り粉がビビりを引き起こし、工具の摩耗を促進させ、工具寿命が短くなる原因となります。さらに加工の際には、以下の点に注意が必要です。

・切り粉が発火しやすいため、注意が必要
・ステンレスと同様に熱伝導が悪く、工具と合金化するリスクがある
・工具との化学反応を引き起こす可能性もある

インコネル

ニッケルを基本成分として、クロム、鉄、炭素などを含んだ合金金属の一種です。この金属は高温下での強度や耐酸化性、耐クリープ性が非常に優れているため、熱に強い強度を維持しつつ、腐食環境に対しても高い耐性を発揮します。そのため、発電所、ジェットエンジン、スポーツカー、ごみ焼却炉などの様々な分野で利用されています。

とはいえ、その高温強度が大きい反面、熱伝導率が低いことから、切削加工が非常に困難だと言われています。そのため、一般的な加工会社では切削データが十分に揃っておらず、加工の指針となる基礎データが不足している状況です。結果的に、切削条件を探りつつ加工を進める必要があります。

マグネシウム

マグネシウムは、実用金属の中で最も軽量なもので、比剛性や比強度が鉄やアルミニウムに比べて優れていることが特徴です。さらに、切削加工が容易である点も魅力的で、所要切削動力指数を比較するとアルミニウムよりも切削加工しやすいことがわかります。

ただし、マグネシウムには着火すると激しく燃える性質があります。加熱された状態で水と触れると、可燃性ガスが発生する可能性があるため、火災が発生すると通常の消火活動が難しくなります。このため、以下の出火防止対策が重要です。

・火や高温物への接触を避ける
・水との接触を回避する
・換気を良く保つ
・切り粉の清掃を定期的に行う

これらの対策を実施することで、マグネシウム加工の安全性を向上させることができます。

難削材の切削条件

難削材の切削加工を行なうには、切削時の加工条件を最適化させることが重要です。

■工作機械の剛性
工作機械の剛性は、機械加工において非常に重要な要素であり、「全ての精度がこれによって決定される」と言っても過言ではないほどです。工作機械の自重が軽い場合、重い被削物を加工するときや高速回転で加工する際に芯が振れてしまうことがあり、高精度な加工が難しくなってしまいます。それゆえに、剛性の高い工作機械を用いることが望ましく、以下の点に注意すべきです。

・自重の重い据付けを選択する
・剛性が高い工作機械を使用する

これらを踏まえた選択が工作機械の性能向上につながります。

■保持具の剛性
切削作業を実行する際、切削ツールの保持部分は振れ精度や送り精度に大きく関与しており、非常に重要な役割を果たしていることは言うまでもありません。それゆえに、次の要素に特に注意を払うことが必要です。

保持具の剛性:難削材を加工するときには、特に重要なポイントです

この観点からも、保持具の選択やメンテナンスは切削工具の性能を最大限に引き出すために考慮すべき事項となります。

■切削速度
工作物の加工時には、機械の剛性不足によって引き起こされる振動や切削面との摩擦が仕上げ面に悪影響を与えることがあるため、各機械の剛性と被削材の特性を考慮して最適な切削速度の選定が重要です。以下の要素が考慮されるべきです。

機械の剛性
被削材の種類・特性

これらの要素を検討し、最適な切削速度を選択することが品質向上への鍵となります。

■切削工具
難削材は、先ほど述べたような複数の特性からいくつかの種類が存在します。

たとえば、一部の難削材は高い硬度が特徴であり、他方では熱伝導率が低いものもあります。これらの特性を考慮し、適切な切削工具を選択し、効果的な加工が実施できるようにすることが重要です。具体的には、以下のような要素があります。

・高い硬度を持つ難削材
・熱伝導率が低い難削材

それぞれの特性に応じた切削工具と加工方法を選ぶことで、難削材の加工に成功することができます。

難削材に関連した企業

アイテック株式会社

「楽」を創造し、社会に貢献する企業

特別な装置および機器の設計から製造、据え付け調整まで手掛ける「装置事業」や、機械部品の加工・製造を行う「部品加工事業」など、幅広い分野で活躍している業者が存在します。装置事業においては、自動車、半導体、製薬などのさまざまな業界向けの装置の設計・製造実績がある企業が注目されています。
また、近年では、クリーンルーム(米国連邦規格クラス100、クラス1000)の設置や稼働を2020年5月から開始した企業も存在しています。部品加工事業の分野では、さまざまな加工設備を社内に保有し、200社を超える協力工場ネットワークを有する企業が、多様な加工品の製造を行っています。

・熱処理や表面処理などの技術を駆使しています
・ユニット等の調達代行も対応可能な業者があります

事業内容
■各種専用機・装置の設計製作
■少量多品種の部品加工

※引用参考イプロス:https://www.ipros.jp/company/detail/307200/

株式会社林田技研

あらゆる素材の加工に挑戦し続けます!
難削材、レアメタル、および半導体関連分野において25年以上の加工経験を誇る、高度な技術を持った専門家集団です。加工から精密洗浄、そしてパッケージングに至るまでの一貫生産プロセスを通じて、次のような高品質および高精度な製品を提供しています。

・お客様のニーズに適した製品
・継続的な品質改善を目指した製品

常に最高の製品とサービスを提供することに努めています。

事業内容
【加工内容】
■半導体製造装置部品
■航空宇宙関連部品

【加工材質】
■ステンレス(SUS303/SUS304/SUS304L/SUS316/SUS316L/SUS430/SUS630等)
■アルミ(A5052/A5056/A2017/A1050/A2024/A6061/A6063等)
■銅(C1020/C1100/C2801/C5191/クロム銅/ベリリウム銅等)
■その他難削材・レアメタル(チタン/モリブデン/タングステン/タンタル/インコネル/銅タングステン/ハステロイ/ニッケル等)

【その他】
■簡易設計から製図・組立
■表面処理・溶接を含む一貫生産(協力会社含む)

※引用参考イプロス:https://www.ipros.jp/company/detail/2078770/

岳石電気株式会社

タングステン・モリブデンをはじめとするレアメタル難削材や高融点金属の研究開発、素材開発から組み立てまでを手がける、信頼性の高い企業です。私たちは、少量試作や受託生産にも対応しており、お客様のニーズに応じた柔軟なサービスを提供しています。

岳石電気株式会社は、レアメタルとタングステンの専門家集団であり、お客様の期待に応える「スピーディー&フレキシブル」な対応が私達の強みです。真摯な姿勢で、感謝されるようなものづくりに取り組んでおります。当社の製品は、「標準品」や「カタログ品」ではなく、タングステン・高融点金属の精密加工を中心に作られたオリジナルなもので、その数は数十万点にも上ります。しかも、これらの製品はすべてメイドインジャパンのオーダーメイド品です。

レアメタル難削材・高融点金属の研究開発・素材開発から組み立てまで
スピーディー&フレキシブルな対応が強み
メイドインジャパンのオーダーメイド製品

事業内容
■主な技術
\素材開発から組み立てまで一貫生産で対応します/
●コイリング・フォーミング〈45年の技術力〉
●精密機械加工〈特に微細加工が得意です〉
●超高温真空熱処理・水素熱処理〈最大2700℃独自開発熱処理炉〉
・素材開発、材料調達
・設計
・自動機開発
・コーティング、ろう付け
・焼結
・レーザー溶接・抵抗加熱溶接・放電溶接
・表面改質
・センタレス研磨加工
・酸・アルカリ洗浄・超音波洗浄
・Q-MAS分析、EDX分析、電子顕微鏡分析などの品質向上のノウハウ

【主要素材】
・タングステン(W)
・モリブデン(Mo)
・タンタル(Ta)
・プラチナ(白金)(Pt)
・レニウム(Re)
・ニオブ(Nb)
・イリジウム(Ir)
・チタン(Ti)
・ニッケル(Ni)
・ニッケルーチタン合金(Ni-Ti)
・コバール
・ステンレス(SUS)
・セラミックス

【主な活躍分野】
■宇宙ビジネス
■半導体関連
■医療関連
■センサ・分析機器
■産業関連
■原子力・放射線
■殺菌・熱処理
■一般照明
■産業用特殊照明
■研究機関・その他

※引用参考イプロス:https://www.ipros.jp/company/detail/2056641/ MONOTYを詳しく見る
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